矯正担当医:昭和大学歯学部矯正科兼任講師
歯学博士 近藤裕敏先生
![]() |
最近の学校歯科検診では、今までのように虫歯をチェックするだけではありません。 |
---|
一昔前の日本では、八重歯をチャームポイントとする人を多く見かけましたが、最近では、歯並びに対する日本人の考え方も、審美から健康の獲得へと変化してきています。
歯並びを治す矯正歯科は、病気を治すのと同じように歯の正常な咀嚼機能を取り戻し、健康な身体と心を作るための歯科治療なのです。
そして治療がすめば、健全な咀嚼器官と共に健康美あふれる笑顔も手に入れることができます。

悪い歯並びを総称して『不正咬合』といい、心身に大きな影響を与えます。
不正咬合による心身への影響とは
- 食べ物が歯の間にはさまり、歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病になりやすい。
- 食べ物を良くかみ砕けず、胃腸などの消化器に負担がかかる。
- 上下のあごの発育や顔の成長に影響を与えて、不調和をもたらす。
- 上あごと下あごを繋ぐ顎関節に負担がかかり、顎関節症になりやすい。
- 咀嚼筋の発達に影響を与え、筋力のバランスが崩れて姿勢も悪くなる。
- 構音機構に影響して、正しい発音がしにくくなる。
- 視力低下の原因になるといわれ、学力や運動能力の低下を招きやすい。


良い歯並びで良いかみ合わせを『正常咬合』といいます。
正常咬合になれば、多くの問題が解決します。
上下の歯が正しくかみ合い、歯の接触面積が広くなり咀嚼効率が向上し、食べ物の消化・吸収が促進され、心身ともに健康な成長発育を促します。
また、健全な咀嚼連動は脳神経の血流を促進し、老化防止にもつながります。